上野千鶴子さんの入学式祝辞

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞 | 東京大学

https://www.businessinsider.jp/post-189030

 

男性差別のことも言及すればいいのにな。

 

たぶん言いたいのは、ここで、とても良いことを言っているし、

その通りだと思う。

 

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。

 

未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。

 

でも、それに至る前文が、女性差別のことにしか触れていない。。

その重みと同じ重みで男性差別もあるというのに。。

その他もろもろの差別もほぼ触れずに、女性差別にだけ深く言及している。。

 

 

女性は差別されている反面、優遇されている。

男性も差別されている反面、優遇されている。

しかも、男性視点で見ると、負荷と優遇のバランスは、女性が優遇されている方に傾いていて、男性は負荷の方に傾いていると思う。

 

 

恐らく、追い詰められた多くの人間が、最終的に行きつくのは自殺だと思うが、

その男女比はこうなっている。

 

男7 : 女3

自殺者の7割は男性。女性の自殺率は過去40年で最低 - シニアガイド

 

年々、男女の自殺率の差は広がっている

1950年 約1.57倍

1985年 約1.98倍

2004年 約2.78倍

男女の自殺率格差とジェンダー:女性が周縁・他者になる理由 | 反省の女性学

 

国別の、男女の自殺率

図録▽世界各国の男女別自殺率

男女の自殺率格差問題と日本女性の自殺率 | 反省の女性学

 

たぶん、働いたことがある人だったら、この理由がわかると思う。

これまで20年近く社会を見てきて、男性の方が負荷がかかりやすい構造を幾度となく見てきた。

これは男性差別なのか。女性差別なのか。

 

 

時代は男女平等の方に向かっているし、これから益々男女差がなくなっていくと思う。

でもその結果として、国民全体の幸せ度が高まるのかというと、そう思えない。

 

一人の働きたい女性が、男性と同じ条件・フィールドで働くことは、一個人としては、幸せ度が高まるのかもしれない。(負荷・自殺率が高まるから個人的にそう思わないが。。)

 

仮に、一人の女性の幸せ度が上がるとして、

しかし、お父さんがフルタイムで働き、お母さんもフルタイムで働き、、、

学校から帰ってきた子どもの幸せはどうなるのだろうか。

フルタイムで働き、疲れた結果、今日の夜ごはんはお惣菜にしよう という日が増えた結果、家族の幸せ度は高まるのだろうか。

誰もいない家庭で、一人で過ごす時間が増えた子供の幸せ度は高まるのだろうか。

疲れた結果、家が散らかっている日が多くなり、温かいご飯の日が減り、家族が一同に会する日が減る家庭は、お父さんとお母さんと子どもにとって、幸せ度は高まるのだろうか。

 

 

日本の平均年収は過去30年、横ばいが続いている。

平均年収の推移

平成5年 452万円

平成10年 465万円

平成20年 412万円

平成29年 432万円

【図解・経済】民間平均給与の推移:時事ドットコム

日本の29年度平均年収・給料・年収推移や年代別・学歴別・正規非正規別年収差|平均年収.jp

 

世界で横ばいなのは日本だけ。

過去30年の各国の推移

https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm

日本人が相対的に貧しくなっている? 各国の平均年収の推移を比較してみるとマジだった

 

 

こんな状況なので、これから益々、女性の仕事参加が進むと思う。

労働参加者を増やせば、一人当たりのGDPを上げなくても、国のGDPを成長させられるから。

そして、女性は負荷を受ければ受けるほど、つまり責任を負えば負うほど、責任のあるポジションになっていくと思う。

 

でも、それは国民全体にとって幸せなことなのだろうか。

 

女性も男性と同じように負荷を負い、男性と同じように優遇される社会、

つまり女性も男性と同等に働く社会だが、その結果、多くの人の幸せ度は下がるのではないだろうか。

 

一個人(今回であれば男女平等を求める女性)の幸せ度は上がるが、その他多くの一般的な日本人の幸せ度は下がるのではないだろうか。

 

 

では、どうすればいいのか。

 

女性を男性側のフィールドに移動(女性も男性と同じように働ける社会)を求めるのではなく、

男性を女性側のフィールドに移動(男性もフルタイムで働かなくて良い社会)が、

国民全体の幸せ度を高める方法のような気がする。

いまの日本は、収入の低い女性はOK、収入の低い男性はNG。働いていない女性はOK、働いていない男性はNG という風潮がある。

これは男性差別だと思うんだが。

 

いまのやり方では、どちらにしろ国際競争力が落ちていく。

移民や、女性の仕事参加を増やして、労働者数の母数を増やしたところで、GDPは微増したとしても、一人当たりの平均所得は相対的に下がる一方。

その結果、国民の満足度や、充実度も下がる一方となる。

 

男性を女性側のフィールドに移動させる社会。つまり、もっと休んでもいいし、家庭優先だし、そして空いた時間に勉強ができるという社会。

そうすることで、勝手に女性の仕事参加率も上がると思う。

企業奴隷のような昭和型男性型サラリーマンを増やしたところで、その場しのぎにしかならず、国民の不満は高まる一方で、将来的には日本の経済も落ちていく。

 

男性を女性側に移動させる社会。

女性差別を訴える一方ではなく、男性差別にも目を向ける。

これが国民の幸福度を上げる方法だと思う。

 

くれぐれも、誰も働かない社会とならないよう注意して。